Hammer's-Photo/日々雑観

『ゾンビ世界大戦』VS『怪獣戦争』

御無沙汰にも程がある更新になります。しかも映画関連の投稿。
最近は撮影自体から遠退きブログ自体を存続させる意味もないのですが・・・

この2本の映画については何と言うか「絶対に書いておかねばならない」と思う所があって。



『ワールド・ウォー・Z』公式HP と 『パシフィック・リム』公式HP


どちらも2013年夏公開の大作なのですが、両作品とも万人受けするジャンルではありません。












国内配給において「ゾンビ映画」と言う事を隠すというどう考えたって無理がある戦略のもと、
ブラッド・ピットの家族愛に重点を置く内容で宣伝された『ワールド・ウォー・Z』(以下『WWZ』)

そして、
日本のアニメ・特撮をこよなく愛し造詣も深いメキシコ人監督が
今や日本国内でも絶滅危惧種となった「怪獣映画」をハリウッドの本気で作り上げたものの
配給会社が本気で宣伝する気がない様にも感じてしまう『パシフィック・リム』(以下『PR』)

どちらも個人的に半年以上前から公開を楽しみにしていた作品。


『WWZ』はゾンビ映画なのですが全年齢鑑賞可能な作品です。
ゾンビと言うより疫病の「パンデミックパニック映画」といった雰囲気。
これは製作側がアメリカはもちろん世界的に規制に掛からない様に配慮し
配給に制限がつかない一般映画として仕上げたからです。

・露骨な人体破壊の描写は人間・ゾンビ含めて皆無。
・血は彩度を押さえて赤くなく墨汁の様。
・襲撃されている様子もパッと映すだけなので何が起こっているのか判別が困難。

その為に撮影済みの後半部分がまるまる撮り直されたというのも有名な話。
映画としてのスケールや盛り上がりも尻すぼみな感じになってしまいました。
この手の映画が醸し出す「絶望感」こそ希薄ながらも中盤過ぎまでは非常に良く出来ていて
それだけにオリジナルの後半部分を捨ててしまったのがとても残念でなりません。

結果として「家族で安心して観られるゾンビ映画」という甘口カレーの様な仕上がりで、
そのままノーカットで日曜洋画劇場とかで放送出来るタイプの作品となりました。



『PR』は褒め言葉として「頭の悪い映画」です。「昭和の小学生男子の為の燃え映画」です。
監督さんは「ウルトラマン」や「ゴジラ」や「鉄人28号」や「マジンガーZ」等を
愛して止まない(病まない?)方なので、もうそっち方向への力の入れ方が半端ではありません。
小難しい脚本で大人の鑑賞に堪える作品にしようとして破綻するようなジャンルを
単純に「巨大ロボ 対 巨大怪獣」を撮るぞ!という心意気で押し通す所が素晴らしい。

最初は微妙にコレジャナイ感があったロボも動いてしまえば納得のデザイン。
個人的には怪獣たちに「昭和ガメラシリーズ」の正統後継みたいな雰囲気を感じました。

最新技術でド派手な映像なのですが細かい所で確信犯的に昭和怪獣世代直撃な描写が多く
画面を見ながら「ほーわかってるなー」と感心し嬉しくなってしまうんです。
製作サイドがそれをきちんと理解した上で作っているのが気持ち良いんです。

熱いんです。燃えるんです。

なんかもう監督に感謝!
感謝の意味も込めて3D字幕と3D吹替え両方観ちゃった(笑)



でも多分、女性にはウケないんでしょうね、こーいうの。

その点に関しては『WWZ』は広く観てもらえる作品であるとは言えます。
デートなんかで観てもとりあえずの話題には出来る平均点の映画。
反面『PR』は男の子の映画なので女性や大人が観てもその熱さは理解出来ないでしょう。
でも映画としての志の高さは『WWZ』など足元にも及びません。

個人差や異論はあるでしょうしそれに関しても否定はしません。

もちろん『WWZ』だって良い所も多く楽しめなかったわけではありませんが
「空気読んじゃった小粒感」が非常に残念なんです。
一方『PR』は「空気読まないオタク感」が上手い事コントロールされ良い方向に昇華していました。


製作側が良き理解者となり、おもねる事無くしっかりと完成させた作品は幸福です。
製作側の立ち位置が定まらず竜頭蛇尾な上に画竜点睛を欠いてしまった作品は気の毒です。

今回個人的に楽しみにしていた2作品はその両極に位置する作品となった様に思います。





で、『パシフィック・リム』吹替え版観賞後の風景。
近くの席に座っていたお父さんと小学生低学年の男の子、二人連れ。

父「面白かったか?」
子「うん。凄かったね。」
父「なぁ。ああいうロケットパンチとかお父さんの子供の頃にあってなぁ・・・」
子「ゴーカイジャーとかあーいうの?」
父「もっと前もっと前!」

ロビーに出てからも楽しそうだった二人はこの作品の良き理解者です。
もちろん自分も、そして多くの男の子たちも。



デル・トロ監督。
あなたの作品はしっかり僕らに届きましたよ。

ありがとう!
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by hammer0011 | 2013-08-16 22:00 | Comments(0)