Hammer's-Photo/日々雑観

温故知新 / ヘンリー・ピーチ・ロビンソン

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2007/PhotoShopにて合成加工

写真の原点は当時既に存在していたカメラ・オブスクラによってとらえた映像を
いかにして記録するかという事から始まりました。

1827年ジョセフ・ニセフォール・ニエプスが金属板に映像を転写する事に成功。

1835年ルイ・ジャック・マンデ・タゲールが「現像」「定着」の理論を発見。
1839年タゲレオタイプ(銀板写真)がフランス科学アカデミーにて承認。


1841年ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットカロタイプを発表。
これはネガポジ法の原点と言われ、当時は紙ネガを使用していました。

一回の撮影で一枚の金属板に転写された画像しか残せないタゲレオタイプとは違い
一枚のネガから多数のポジを複製する事が出来るので、以後主流となって行きます。



写真の発明・普及によってそれまでブルジョア階級のものであった肖像制作が大衆化。
これによってタゲレオタイプは社会に普及して行きました。

一方のカロタイプは発明当初は印画紙の画像が消えやすいなどの問題があったものの
機材・材質の改良によってそれらは徐々に改善されました。
それに伴い記録方法としての写真の存在価値が高まり、様々な人物・風景などが
写される事となり「記録メディア」としての写真の位置付けが確立されていったのです。





カロタイプはネガから印画紙に焼き付けるという方法ゆえの画像制作の自由度から
ギュスターヴ・ル・グレイが行なった様な技法改良が進み、
コロジオン湿板法(ガラス板ネガを使用)の発明以降、表現の多様化をみせます。

その典型として有名なのが
オスカー・ギュスターヴ・レイランダー/1813-1875」
人生の二つの道/1857」は16人の役者を使い30枚のネガを合成する事によって
ルネサンス絵画の構図を写真で再現した作品です。

それに触発され制作されたと言われているのが
ヘンリー・ピーチ・ロビンソン/1830-1901」
写真は芸術であると言う認識のもとに
アイデアをスケッチしたものを参考に5枚のネガを組み合わせて絵画的な作品
消えゆく命/1858」を発表。
彼は19世紀末ー20世紀初頭のピクトリアリズムの先駆者とされる一方
本人は晩年、複数ネガを使用する合成写真を否定する立場へと変化して行きます。




今回の画像は意図的な演出・構図を基にした合成。
何だか連続して特殊な作例ばかりですが(笑)
ただこれらは現在の「銀塩・デジ論争/デジタル処理論争」に通じる様で興味深いです。

芸術を意識し過ぎて芸術の模倣となってしまっては本末転倒なのですが
現代ではむしろ広告写真などがこれらの流れの正当な後継の様にも思えます。


技法的な部分を否定はしませんが自分の求めるモノはここには無さそうです。
個人的には「過ぎたるは及ばざるがごとし」といった感じがします。

<注意>
完全な独学なので表現等に誤りがある場合があります。
そういった点の御指摘なども含めてコメント頂けますと嬉しいです。
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by hammer0011 | 2007-02-12 09:30 | Comments(2)
Commented by ねぷちゅーん at 2008-07-30 02:27 x
はじめまして
ヘンリー・ピーチ・ロビンソンで、このブログに辿り着きました。「過ぎたるは及ばざるがごとし」・・・・なるほどと思いました。
この写真、本物の犬だといい写真ですよね。
ほかの写真も拝見させていただきましたが・・・・モノクロ系の写真が特に素晴らしいと思いました。
それでは。
Commented by hammer0011 at 2008-08-01 10:21
ねぷちゅーんさん>
はじめまして。コメントありがとうございます。
興味があって少しだけ写真史を調べていた頃の記事ですので
稚拙な部分も多くお恥ずかしい限りですが・・・
モノを知らずに論ずる事の傲慢さを痛感致しました。

今後とも宜しくお願い致します。